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What You’ll Get
この記事を読み終えたとき
- 「マンガがなぜ安心に繋がりやすいのか」を、3つの理由で説明できます。
- 日常でマンガを“心の休憩”として使うコツも持ち帰れます。
(※最近では、検索にて「星霜の心理士 カウンセラー 第二巻」も見かけます。第二巻の話は少しだけ。今回の記事の中心は、マンガがくれる安心感の話です)
マンガがくれる安心感について
もう少し考えてみたくなった方に向けて。
本文の最後で、この記事とつながる書籍を3冊ご紹介します。
たとえば、こんな日はありませんか?
仕事が終わったのに、頭がまだ回っている
人と話す元気が残っていない
でも、何かで気持ちを切り替えたい
動画ほど情報量は要らない
文字だけの本は、今日は重い
そんなとき
マンガなら手が伸びる日があります。
こんな気持ちになることありませんか?
マンガを読むと楽になる気がする
でも、理由はよく分からない
好きな作品の話をしたい
でも、話せる相手がいない
読んで落ち着くけれど、
またマンガ本に手が伸びてしまい、
「現実逃避をしてしまった..」と気になってしまう。
モヤモヤの裏側で起きていること
今「星霜の心理士 カウンセラー 第二巻」
などの検索が増えているようです。
こちらのマンガ、2025年11月12日に第一巻が発売開始されました。
第二巻は、2026年2月12日に発売予定と小学館より告知されています。
(※2026年1月2日時点での情報です。最新情報は、小学館へお問合せください)
このマンガ本は、現代から異世界転移してきた臨床心理士が、臨床心理学の視点を活かして異世界で人を救おうと奮闘する物語とか。
こうして、心理学をマンガとして取り扱ってもらうことは臨床心理学の領域に属する立場として、非常に嬉しいことです。
こうしたマンガを経て、心理学的な知識を日常に活用してみようと思う方も少なくないのではと思います。
しかし、
ここで大事なのは
「作品の内容がどうか」だけではありません。
マンガは
読むという行為そのものが、気持ちを整える方向に働くことがあります。
さらに
マンガの話題を“誰かと共有すること”も
安心感に繋がることがあります(笹倉、2010)。
理論紹介
ここまでの話を
心理学の視点から整理してみます。
理由1 読みやすさが「休める」を作る
マンガは
疲れているときでも楽しめる
自分のペースで戻りながら読める
そうした特徴が指摘されています(家島、2007)。
文字だけの本より
少ない力で“物語の世界に入れる”日がある。
それが小さなこころの休憩にもなり得ます。
家島(2007)も
マンガの特徴を「易読性(どれだけ読みやすいか、理解しやすいか)」などとして整理しています。
読みの負担が軽いこと自体が
安心に繋がりやすい。そんな風にも言えるかと思います。
理由2 「なぐさめる存在」になりやすい
マンガやアニメは
毛布やぬいぐるみ、音楽などと並んで
「なぐさめる存在」の一つとして扱われた研究があります(森定、2001)。
ここで言いたいのは
マンガが万能ということではありません。
ただ
心がざわつくときに
“そばに置けるもの”があると助かる日がある。
その候補に、マンガも入りやすい、という話です。
理由3 「語れる」と、居場所が生まれやすい
笹倉(2010)は
マンガやアニメについて他者に語るとき
他者の存在が「聴いてもらえる安心感」や「語り合える期待」に繋がる、と示しています。
さらに
語りの中で、作品の話と並行して
自分の体験が重なり、
自身を見つめなおす機会にもなり得るとされています。
ポイントはここです。
いきなり自分の話をしなくてもいい。
「作品の話」から入れる。
だから
人との距離が近すぎると疲れる時期でも
自分の話をし過ぎることなく、
“ほどよい共有”の形になりやすいのです。
今日から試せる小さな一歩
- 疲れている日は、短編や1話だけ読んでみる
読みながら「ここで息が抜けた」、「気持ちがほんの少し楽になった」を1つ探してみる - 人に話すなら、作品の感想より先に「この場面で落ち着いた」を言ってみる
- 語れる相手がいないときは、メモに2〜3行だけ残してみる
- 読んだ後に、スマホを、本を置いて10秒だけぼーっとして、休んだ感覚を味わってみる
Summary
- マンガは読みやすさが“休める感覚”を作りやすい
- マンガは「慰める存在」になりうるという見方がある
- 作品の話は“自分の話”の入口になりやすい
- 共通の話題を語れる相手は、安心感につながりやすい
心理学を学んできた立場から選ぶ、あなたへの書籍3選
引用・参考文献
- 家島 明彦(2007).心理学におけるマンガに関する研究の概観と展望.京都大学大学院教育学研究科紀要,53,166-180.
- 森定 美也子(2001).思春期における慰める存在――移行対象の観点から.心理臨床学研究,19,535-541.
- 笹倉 尚子(2009).虚構を語ることと心理臨床.京都大学大学院教育学研究科附属臨床教育実践研究センター紀要,13,47-53.

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