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What You’ll Get
この記事を読み終えたとき…
- 「つい悪いほうばかり考えてしまう自分はダメだ」と責める気持ちが、少しやわらぎます。
- 悲観的に考えることにも、「先回りして備える」という大切な役割があることを知ることができます。
- 日常の不安や心配を、ただのぐるぐる思考ではなく、「現実的な準備につなげるヒント」として活かすための小さなコツを持ち帰れることを目指します。
不安や心配って、消そうとすると余計に大きくなることがあります。
もし「うまく付き合う方法」をもう少し知りたくなったら。
記事の最後に、「考え方を整えるヒントになる書籍3選を載せています」。
日常を振り返ると、こんな場面はありませんか。
- 明日のプレゼンの前に、「失敗したらどうしよう」と最悪のパターンばかり浮かんでくる
- 初対面の場に行く前から、「場が凍ったらどうしよう」「誰も話しかけてくれなかったら」と不安が先に立つ
- 旅行やイベントの前に、「道に迷ったら」「雨が降ったら」「体調を崩したら」とあれこれ想像してしまう
一見すると、「ネガティブ思考」「心配性」とラベルを貼られそうなこれらの考え方。
でも、その裏側ではちゃんと、
・ミスを減らしたい
・トラブルを避けたい
・周りに迷惑をかけたくない
という、とてもまじめで大事な願いが働いていることが多いのですよね。
こんなモヤモヤ、抱えていませんか?
- 「なんでも悪いほうに考えがちで、自分の性格が嫌になる」
- 周りから「もっと楽観的に」「ポジティブに考えなよ」と言われるたびに、少し落ち込む
- 心配が頭から離れず、考えているだけで疲れてしまうのに、その考えが行動や準備にはつながっていかない
- 「これもあれも気にしすぎかな」と思いながらも、不安を止められず、自己嫌悪とセットになっている
「悲観的に考えること」が、そのまま「心の弱さ」や「欠点」と結びつけられてしまうと、
不安そのものよりも、自分へのがっかり感のほうが苦しくなることもあります。
もう一つの角度から見たときのモヤモヤ
少し別の角度から見てみると、こんなことも起きていないでしょうか。
- 心配ばかりしているわりには、具体的な準備にはつながらず、ただ疲れてしまう
- 「どこまで備えれば安心していいのか」が分からず、いつまでも不安が続く
- 楽観的な人を見て、「あのくらい何も考えずにいられたら楽だろうな」と比べてしまう
- 逆に、「自分はここまで準備しているのに、周りは危機感がなさすぎる」とイライラしてしまう
悲観的に考える力そのものには、もともと「先を読む」「リスクに備える」という大切な役割があります。
でも、それが“準備”ではなく“ぐるぐる反芻(はんすう)”に偏ってしまうと、
せっかくの力が、自分を疲れさせる方向に働いてしまいがちです。
「防衛的悲観主義」という認知的戦略
ここで、今回のキーワードを整理してみます。
心理学では、将来うまくいかない可能性をあえて想像し、その失敗を避けるために具体的な準備をする考え方を、「防衛的悲観主義(defensive pessimism)」と呼ぶことがあります。
ざっくり言うと、こんな特徴を持つ認知的な戦略です。
- あえて悲観的なシナリオ(失敗・トラブル)を想像する
- そのシナリオが現実にならないように、事前に準備やシミュレーションを行う
- その結果、パフォーマンスや安心感が安定しやすくなる
ポイントは、
「ただ悲観的に考えて落ち込む」のではなく、
「悲観的な見立てを、具体的な備えにつなげている」
というところです。
もともと悲観的・不安傾向が強い人にとっては、
- 無理に「楽観的になろう」と頑張るより、
- 「じゃあ、その不安をどう準備に変えようか」と考えるほうが、
むしろ現実的で役に立つ、という見解もあります。
もちろん、どんな状況でも悲観的であれば良い、という話ではありません。
という視点です。
悲観的な想像が、
・自分を責め続ける材料になっているのか?
それとも…
・準備や行動のヒントになっているのか
この違いが、防衛的悲観主義を「しなやかな戦略」にできるかどうかの分かれ目になります。
今日から試せる小さな一歩
ここからは、不安や悲観的な考えを「準備のための力」として使っていくための、現実的なステップをいくつかご提案します。
まずはラベリング:「これは心配性」ではなく「これはシミュレーション」
不安が浮かんできたときに、
「また心配性が出ている」とラベルを貼る代わりに、
「今、頭の中でシミュレーションが始まっている」と言い換えてみてください。
言葉を少し変えるだけでも、
・自分を責めるモード
から
・この心配をどう活かすか考えるモード
へ、少し切り替えやすくなります。
「最悪のシナリオ」から「じゃあ何を準備する?」までを書き出してみる
紙やメモアプリに、次の二段構えで書いてみます。
1行目:心配していること(想像している失敗)
2行目:「それに備えて、今できる準備は何か?」
例:
・「プレゼンで頭が真っ白になったらどうしよう」
→ スライドに小さなメモを入れておく/最初の一文だけ暗記しておく
・「方向音痴で、会場にたどり着けないかもしれない」
→ 前日に経路を確認しておく/早めに家を出る
頭の中でぐるぐるしている不安を、
「具体的な準備リスト」に変換するイメージです。
準備が終わったら、「ここまでやったらOKサイン」を自分に出す
防衛的悲観主義がうまく働くためには、どこかで「準備はここまででよし」と区切ることも大切です。
- 準備リストを一通りこなしたら、ノートの端に小さくチェックマークを入れる
- 心の中で「ここまで備えた自分は、今できることをやった」と一度だけ言葉にする
完全に不安が消えなくても構いません。
「備えはここまで」というラインを、自分の中に作っておくことがポイントです。
気持ちが大きく乱れるときは、「一人で向き合いすぎていないか」を確認する
不安や悲観的な想像に向き合うことで、かえって混乱や苦しさが増すときもあります。
- 考えれば考えるほど、体が重くなる
- 不安を言葉にしようとしても、涙や焦りが強く出てしまう
- 眠れない、食欲が落ちるなど、日常生活への影響が続いている
そんなときは、「自分一人でなんとかしようとしすぎていないか」を一度確認してみてください。
場合によっては、
- 信頼できる家族や友人に話してみる
- 専門家と一緒に整理する
といった、「二人三脚で向き合う形」に切り替えることが、とても大切になります。
防衛的悲観主義も、心の健康が大きく揺れているときには、
一人で抱え込まず、誰かと一緒に扱ったほうが安全なテーマです。
Summary
- 悲観的に考えることは、必ずしも「悪いこと」や「弱さ」ではなく、「先回りして備えるための力」として働くことがある。
- 防衛的悲観主義は、悲観的なシナリオをあえて想像し、そのリスクに備える具体的な準備につなげる認知的な戦略として考えられてきた。
- 大切なのは、「ただ不安に飲み込まれる」状態から、「不安を準備に変える」状態へ、少しずつシフトしていくこと。
今日から試せる小さな一歩(一言版)
- 不安が浮かんだとき、「心配性」ではなく「シミュレーション中」とラベリングしてみる
- 心配していることを書き出し、「それに備えて今できること」を一行ずつ添えてみる
- 準備が終わったら、「ここまでやった自分は今できる範囲でベストを尽くした」と一度区切りをつける
- 混乱や負担が強まるときには、一人で向き合い続けず、信頼できる人や専門家と一緒に考える形に切り替える
心理学を学んできた立場から選ぶ、
あなたへの書籍3選
心配や悲観が止まらないとき。
大事なのは「消す」より「使い方を変える」ことかもしれません。
記事の最後に、考え方の整理に役立つ書籍3選をまとめます。
気が向いたら、ぜひ見てみてください。
このブログやチル散歩の時間が、
「もっとポジティブにならなきゃ」と自分を追い立てるのではなく、
悲観的に考えてしまう自分のことも、少しやさしく理解し直すための、静かな足場になればうれしいです。

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