「楽しい/楽しくない」だけじゃもったいない|幸せをグラデーションで見るということ

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考え方のクセを知る

What You’ll Get

この記事を読み終えたとき…

  • 物事を「楽しい/楽しくない」「幸せ/幸せでない」の二択で判断してしまうクセに、少し気づけるようになります。
  • 「ちょっとだけ楽しい」「まあまあ幸せ」といった、グラデーションの感じ方を自分に許す視点を持ち帰ってもらえます。
  • 日常の中で、“ゼロか100か”ではない受け取り方を増やすための、小さなコツをイメージできるようになることをゴールにしています。

「『楽しい/楽しくない』のあいだにある気持ちについて、もう少し考えてみたくなった方に向けて、この記事の最後に参考になりそうな本を、3冊ご紹介します

「楽しかった?」で片づけてしまう前に

日常会話を思い出してみると、こんなやりとりはよくあります。

  • 「今日どうだった? 楽しかった?」
    「うーん…まあ、楽しかったかな」「正直、微妙だった」
  • 「あの仕事、満足してる?」
    「うーん、満足ってほどじゃないかな」
  • 「今、幸せ?」
    「幸せって言えるほどではないけど、不幸ってほどでもない」

本当は、

  • ちょっとだけうれしかったこと
  • まあまあ楽しかった瞬間
  • じわっとありがたさを感じた出来事

など「0でも100でもない」感覚がたくさんあるはずなのに
会話の中ではつい、

  • 楽しい/楽しくない
  • 幸せ/幸せでない

という二択の言葉で、ざっくりまとめてしまいがちです。

こんなモヤモヤ、抱えていませんか?

最近の自分のことと照らし合わせながら、少し読んでみてください。

  • 「楽しかった?」と聞かれると、「そこまででも…」と答えてしまい、結果的に“楽しくなかった側”に自分を置いてしまう
  • 仕事や生活について「幸せ?」と聞かれると、「幸せってほどでは…」と感じてしまい、自分は今あまり幸せじゃないのかもと思ってしまう
  • 一日を振り返った時、「特別いいこともなかったし、普通」とまとめてしまい、その中にあったはずの小さな喜びを見逃す

こうしたことが積み重なると、

  • 自分の毎日は、大して楽しくないのかもしれない
  • 自分は、そんなに幸せな方ではないのかもしれない

という感覚が、少しずつ「自分の設定」として固まりやすくなります。

「真ん中の感情」が、なかったことになってしまうとき

もう少し別の角度から眺めてみると、こんなことも起きているかもしれません。

  • 「楽しい」側に入れるほどではない出来事を、すべて「楽しくない」と同じグループに入れてしまう
  • 「すごく幸せ」とは言えない自分を、「じゃあ幸せじゃないのかな」と感じてしまう
  • 0か100かで考えるほど、「まあまあ良かった」「わりとうれしい」といった“真ん中の領域”の感情の価値を見落としてしまう

その結果として、

  • 「自分の人生、思ったほど楽しくないのかもしれない」
  • 「日常には、ほとんど良いことがない」

と感じやすくなり、
実際には存在していた

  • 少しの楽しさ
  • 少しの安心
  • 少しの幸せ

が、心の中でカウントされにくくなってしまいます

「二極化思考」というクセ

心理学では、物事を両極端でとらえてしまう考え方を

  • 二極化思考
  • 白黒思考
  • 0か100か思考

などと呼び、認知行動療法(CBT)の中で扱われる「認知のクセ(認知の歪み・非機能的認知)」の一つとして説明してきました。

例えば、

  • 成功か失敗か
  • 好きか嫌いか
  • 役に立つか、意味がないか

という形で、間にあるグレーゾーンを飛ばしてしまうようなとらえ方です。

二極化思考が強くなると、

  • 「まあまあ」「そこそこ」「悪くはない」といった中間の状態が見えにくくなる
  • 「十分に満足できる状態」以外は、すべて「ダメなほう」に分類されやすくなる

という特徴が出てきます。

グラデーションで捉える、という発想

この二極化に対して、役に立つのが「グラデーションで捉える」という考え方です。

  • 楽しさを、0〜10の間のどこかに置いてみる
  • 幸せを、「まったくない〜とても強い」の間のどこかに位置づけてみる

「楽しい/楽しくない」「幸せ/幸せでない」という二択ではなく、

  • ちょっと楽しい
  • だいぶ楽しい
  • まあまあ幸せ
  • 今は少し足りないけれど、ゼロではない

といった濃淡としてとらえてみる習慣がついてくると、

  • 日常の中にある「少しの楽しさ」「少しの満足感」を拾いやすくなる
  • 「自分の人生には良いことが少ない」という感覚の輪郭が、少しずつ変わってくる

そんな変化が生まれやすくなります。

長く、しなやかに生きていくうえで、この「グラデーションで見る力」は、とても大事なスキル・習慣だと感じています。

今日からできる「二極化からグラデーションへのシフト」

ここからは、「二極化」から「グラデーション」へ少しずつ切り替えていくための、現実的で簡単なステップをいくつかご提案します。

「楽しかった?」「幸せ?」の代わりに、数字を一つ添えてみる

一日の終わりや、何か出来事があったときに、

  • 「楽しかった?」
  • 「幸せだった?」

と自分に質問する代わりに、

  • 「0〜10のうち、どれくらい楽しかった?」
  • 「0〜10のうち、どれくらい幸せを感じた?」

と、数字を一つ添えて考えてみる方法です。

例としては、

  • 「今日は3くらいは楽しかったかも」
  • 「幸せ度は、7とまでは言わないけど、4〜5くらいかな」

といった具合に。

数字にすることで、

  • 楽しくなかった=0
  • すごく楽しかった=10

だけでなく、「3〜6くらいのあいだ」にある感情を、ちゃんと“存在しているもの”として扱いやすくなります

日記やメモで「少し楽しかったこと」を一つだけ書き出す

毎日でなくても構いません。ふと余裕がある日に、

  • 今日、少しだけ楽しかったこと
  • ちょっとだけホッとした瞬間
  • じわっとありがたいと感じたこと

を、一つだけメモに残してみてください。

例えば、

  • コーヒーがいつもよりおいしく感じられた
  • 通勤中に見えた空がきれいだった
  • メッセージの返事が思っていたよりやさしい内容だった

といった、小さな出来事で十分です。

「大きな幸せ」ではないけれど、
“ゼロではなかった幸せ”を言葉にする練習になります

誰かと話すとき、「どちらか?」ではなく「どのあたり?」と聞いてみる

人との会話の中でも、二極化を緩めていくことができます。

  • 「楽しかった?」ではなく
    「どのあたりが楽しかった?」
  • 「仕事、満足してる?」ではなく
    「満足度で言うと、何割くらい?」

といったふうに、
「どちらか?」ではなく「どのくらい?」「どの部分?」をたずねる質問に変えてみるイメージです。

これは、相手のためだけでなく、自分自身にも効いてきます。

人の答えを聞きながら、

「あ、自分も“まあまあ楽しかった”って表現でいいのかもしれない」

と、グラデーションで話してよい許可が、少しずつ自分の中にも下りてきます。

Summary

  • 「楽しい/楽しくない」「幸せ/幸せでない」と二極化すると、「少し楽しい」「少し幸せ」といった大事な感情を見落としやすくなる。
  • 心理学では、こうした「0か100か」の考え方を、認知行動療法の中で二極化思考(白黒思考)の一つとして扱ってきた。
  • 大切なのは、「どちらか一方」に決めてしまうことではなく、楽しさや幸せを“グラデーション”として見てみる視点を育てること。
  • グラデーションでとらえる習慣がつくと、日常の中にある小さな喜びや安心感を、少しずつ拾い上げやすくなっていく。
  • 楽しいか/楽しくないか。幸せか/幸せでないか。その二択のあいだには、本当はたくさんの色や濃さがある。

今日から試せる小さな一歩(一言版)

  • 一日の終わりに、「今日の楽しさ度」「今日の幸せ度」を0〜10でつけてみる。
  • 「まあまあ」「そこそこ」と感じた出来事を、ノートに一つだけ書き出してみる。
  • 誰かとの会話で、「楽しかった?」の代わりに「どのあたりが良かった?」と聞いてみる。
  • 「自分の毎日は大して楽しくないかも」と思ったとき、「0ではなかった楽しさ」を3つ探してみる。
  • 週に一度、「今週の“少しうれしかったことリスト”」を3つだけ挙げてみる。

心理学を学んできた立場から選ぶ、
あなたへの書籍3選

「ここまでの話が少しでも残った方へ、グラデーションで考える感覚を育てるヒントになりそうな本を3冊ご紹介します。」

Information

マンガでやさしくわかる認知行動療法 Kindle版

  • まずは、手軽にマンガで全体像を捉えると、その後の理解も深まりやすくなります。マンガのイラストによる分かりやすさを入口にしてみるのはいかがですか。
  • ストーリーでの説明に終わらず、実際にツールとして活用可能なシートも紹介され、個人用の実践向きです。
  • ストーリーがあると記憶にも定着しやすいですよね。ぜひたしかな知識に触れてみてほしいと思います。
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反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 Kindle版

  • 少し視点を変えて。ブッダの教えを手掛かりに現代社会を生き抜くヒントを手に入れるのはいかがでしょうか。
  • 大好評ロングセラーの本書。この結果が、おススメするに足る十分な理由であると言えます。
  • 帯にある「ブッダは実は、超クール」、この言葉の本質的な意味を知りたい方はぜひご一読を。
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ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ Kindle版

  • ポジティブ心理学を世に広めた第一人者、マーティン・セリグマンによる書。心理学的に考えるポジティブな状況・思考とは?
  • 本記事とポジティブ心理学は相性のよい発想です。記事に少しでも共感してもらえたならば、この一冊もあなたの糧になることと思います。
  • 一瞬の幸せはとても大切。でも、長い人生を生き抜くならば、日頃見過ごしがちな「持続的幸福」を捉える力を身に付けるのはいかがでしょうか。

このブログやチル散歩の時間が、
あなたの毎日の中にある「少しの楽しさ」「少しの幸せ」を、
そっと見つけやすくするための、静かなきっかけになればうれしいです。

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